針葉樹の植栽一覧
あ行
 

◆アカマツ(赤松)

 マツ科 常緑針葉樹 高木 日本

 樹肌が赤色をして美しいので赤松の名がある。明るい緑色の柔らかな葉と、優美な枝ぶりをもった樹形で女松の名でも呼ばれます。乾燥した痩せ地でも育ち、かえって美しい樹肌を見せます。美しく剪定するには技術が必要で庭木としては一級品であり、高級な値打ちのある樹木です。

 

 

◆アスナロ(翌桧)

 ヒノキ科 常緑針葉樹 高木 日本

 アスナロの名は、葉形がヒノキに似ていて、明日になればヒノキになるだろうというのでアスナロだという話があります(俗説)。ヒノキの仲間では最も葉の幅が広く、大きな鱗状の幅広な葉を持っていますが、決して粗野なイメージはなく、力強い上品さが感じられます。湿気の多い寒冷な気候に良く適応し、京都ではあまり見かけません。成長はゆるやかです。

 

 

◆イチイ(一位)

 イチイ科 常緑針葉樹 高木 日本

 針葉樹は主として寒冷地で良く育つ性質を持っていますが、特にイチイは寒さに強いです。艶のある細かい葉が美しく秋には赤い実がなります。雌雄異種です。イチイの赤い実は甘みがあり食することができますが、種子は有毒です。イチイの名は、公家の位で一位が手に持つ笏(しゃく)をこの材でつくったことによります。

 

 

 

◆イチョウ(銀杏)

 イチョウ科 落葉樹 高木 中国

 秋の終わりには黄色く色づいた葉が辺り一面を明るく彩ります。性質はきわめて強く、都会の中心でもよく育ちます。理想的には、日当たりの良い地層の深いところが適地です。雌雄異種で成長は早いですが、実が出来るまでは長くかかります。漢名を公孫樹といいますが、これは孫の代までかかるという意味です。ちなみにイチョウは広葉樹のように見えますが、どちらかというと針葉樹の仲間に近い植物です。

 

 

◆イヌマキ(犬槇)

 マキ科 常緑針葉樹 高木 日本など

 深緑の細い葉が美しく上品なイメージを与えます。乾燥した土地でも、多少湿り気のある場所でも育ち、日陰にもよく耐える丈夫な樹です。雌雄異種で秋には赤と緑の玉がくっついたようなかわいらしい実がなり、赤い実は食せます。葉の小型のものがラカンマキと呼ばれ、高級品種として扱われます。

 

 

 

◆イブキ(伊吹)

 ヒノキ科 常緑針葉樹 高木 日本

 日当たりや風通しが良く、水はけの良い土地を好みます。もともと海岸地帯に自生しているので塩害には強いです。イブキの葉には二つの形があり、普通はウロコ形で細いひも状となっていますが、ところどころに尖ったスギの葉形のものが出ます。ウロコ形の葉が多く出るものをイブキ、スギの葉形の多いものをビャクシン、両形の入り交じるものをイブキビャクシンと区別します。また、立ち性で枝がらせん状に伸びる変種がカイズカイブキであり、矮小なものがタマイブキ、地面を這うものがハイビャクシンと呼ばれます。高山の崖にしがみつくように生えるものにミヤマビャクシンがあり、これはシンパクとも呼ばれ盆栽などで珍重されます。

 

カ行

 

◆カイズカイブキ(貝塚伊吹)

 ヒノキ科 常緑針葉樹 高木 日本

 四季をとおして鮮やかな緑を絶やしません。枝は伸長するとらせん状に巻き上がるので、まるで緑の炎のように見えます。日当たり良く水はけの良い土地を好むので関西の花崗岩質であるマサ土の土壌では特によく育ち美しい樹形になります。生け垣として刈り込むこともできますし、松のように透かし仕立てで主木にすることも出来ます。ただ、葉のないところまで切り込むと芽吹かないので、生け垣にする場合は大きくなりすぎないように定期的なお手入れが必要です。また刈り込みがあまりに強すぎるとスギの様な葉に変化しますので加減が必要です。

 

 

 

◆カラマツ(唐松)

 マツ科 落葉針葉樹 高木 日本

 冬になると落葉し、一般に常緑性のものが多い針葉樹の中では珍しい存在です。五月頃に伸びだす淡緑色の若芽の芽吹きがたいへん美しく心惹かれます。日当たりや水はけの良い山地を好み、成長が早いために信州の山などには多く植林されています。冷涼な気候で育つので関西地方では育ちにくいと言えます。

 

 

 

◆クジャクヒバ(孔雀桧葉)

 ヒノキ科 常緑針葉樹 高木 日本

 高木に属しますが普通は3m程度で庭木として適した大きさに仕立ててあります。長い枝が直立し、その枝から左右に短い小枝が分岐します。このような整然とした美しい枝の並び方からクジャクヒバと呼ばれます。普通は濃緑色ですが、若枝が黄金色になるものはオウゴンクジャクヒバと呼ばれます。成長はわりあい早く、その葉並びの美しさから切り枝をフラワーアレンジメントに用いられます。

 

◆クロマツ(黒松)

 マツ科 常緑針葉樹 高木 日本

 最も代表的な針葉樹で、優美なアカマツを女松と呼ぶのに対し、クロマツは力強い幹や枝葉の雰囲気から男松と呼ばれます。また言わずと知れた縁起木です。日当たりがよく風通しの良い場所を好みます。京町家に良く似合う樹です。一般的によく松は手間がかかると思われがちですが、丁寧に透かし剪定を行い葉むしりすることにより落ち葉がなく、一年を通して掃除をしなくても良いので、年一回お手入れするだけの手間のかからない丈夫な樹であるといえます。

 

 

 

◆コノテガシワ(児ノ手柏)

 ヒノキ科 常緑針葉樹 高木 中国

 子供が手を上げているような枝葉のかたちからコノテガシワと呼ばれます。ヒノキの葉を縦に並べたような樹形で、日当たりと水はけの良い土地を好み、乾燥や寒さにも耐えます。一般に流通しているのはセンジュと呼ばれる園芸品種で高木にはなりません。雌雄異種で種子から育ったものは様々なタイプの変化を示すので、たくさんの園芸品種があります。エレガンテシマやローズダリスなどが代表的です。

 

 

◆ゴヨウマツ(五葉松)

 マツ科 常緑針葉樹 高木 日本

 一般にゴヨウマツと呼ばれているものは二種あり、ひとつは九州から中部山地に生えるヒメコマツで、もうひとつは中部より北の山地にあるキタゴヨウマツです。性質は少し違い、キタゴヨウマツのほうが北方系だけに葉が短くて固く、下面に白色のすじが入り、青みの強い緑色です。成長はゆるやかで、どちらも山地性なので半日陰の水はけの良い土地を好みます。京都の庭園には立派なゴヨウマツがたくさんあり、善峯寺にある天然記念物の遊龍松(樹齢600年、枝の長さ約40m)などがあります。

 

サ行

 

◆サワラ(椹)

 ヒノキ科 常緑針葉樹 高木 日本

 ヒノキによく似ています。ヒノキに比べると成長が早く、葉が柔らかく先端が尖っています。ヒノキが剛直な雰囲気だとすると、サワラは優しい感じです。日当たりを好み、乾燥によく耐え、土地を選ばず早くよく育ちます。サワラは変化種が多く、シノブヒバ、ヒムロ、ヒヨクヒバなどがあります。

 

 

 

◆シノブヒバ(忍桧葉)

 ヒノキ科 常緑針葉樹 

 サワラの変化した園芸品種。サワラが扁平な葉であるのに対し、細長い葉がそりかえっていくのが特徴です。細かく密につんだ枝葉の柔らかい感じが良く、若葉が黄金色となるものをオウゴンシノブヒバと呼び、切り枝として生け花にも使います。成長は早く、水はけの良い日当たり地を好みます。

 

 

 

◆スギ(杉)

 スギ科 常緑針葉樹 高木 日本

 水分豊富な土地で空中湿度の高いところを好みます。まっすぐ天を目指して伸びる樹形が美しく感じます。成長の早い樹ですが、幹や大きな枝を切り込むと弱ります。水分を良く保持しているので、若い切り枝を水にさしておくと良く持ちます。

 

タ行

 

◆タギョウショウ(多行松)

 マツ科 常緑針葉樹 低木

 アカマツの変化した園芸品種で、地際から何本にも枝分かれして樹冠が傘形にできあがります。日当たりと風通し、水はけの良い場所を好みます。小さいうちに骨格をつくり、あとは自然に伸ばして毎年のように他のマツ類と同様の手入れをします。ただし、タギョウショウは樹冠を半球形に揃えるのが美しいので、芽摘みの時にはよく注意して勢力の平均化をはかります。

 

 

 

◆タマイブキ(玉伊吹)

 ヒノキ科 常緑針葉樹 低木 日本

 イブキの矮小形で多幹性の株物仕立てとしたものがタマイブキです。刈り込みによってよく分岐し、小さいうちから半球形の玉造りにできあがります。日の当たる乾き気味の土地が適地です。

 

 

 

◆チャボヒバ(矮鶏桧葉)

 ヒノキ科 常緑針葉樹 

 ヒノキから変化した園芸品。成長がおそいので、逆に成木になれば形が崩れません。自然に出来上がった美しい樹形をわりあい長く保つので、庭園樹としては高級種に属します。名前の由来は細かい枝葉のカタチが矮鶏(チャボ)の足カタチに似ていることからそう呼ばれます。枝先が黄色を帯びるものをオウゴンチャボヒバと呼ばれ珍重します。

 

 

 

◆チョウセンマキ(朝鮮槇)

 イヌガヤ科 常緑針葉樹 低木 日本

 イヌガヤの変種で野生はなく古くから培養されています。名前から朝鮮半島の原産かと思ってしまいますが日本が原産国です。3mほどの低木で、コウヤマキを小型にしたような枝と葉を持ち、上方にまっすぐに伸びます。池の坊などで枝ぶりをこしらえて生けられるのが、このチョウセンマキです。切り枝栽培を兼ねて刈り込みものに仕立てます。

 

 

 

◆ツガ(栂)

 マツ科 常緑針葉樹 高木 日本

 トガとも呼ばれ、冷涼な地域ではコメツガというさらに葉の短いものがあります。先端が浅く割れた長さ2cmくらいの小さな葉が2列に枝に密生します。透かし剪定にして京町家にもよく植栽されています。自生しているものは山の尾根によく生えていますが、半日陰にもわりと耐えることができます。

 

ナ行

 

◆ナギ(梛)

 マキ科 常緑針葉樹 高木 日本

 針葉樹の仲間に入っていますが葉は長楕円形をしています。ただ葉脈が平行である点では一般の広葉樹と全く違いがあります。寒さには弱い樹ですが暖地では樹勢が強くて長生きして大木となり神社の神木になっているものもあります。別名をチカラシバといいますが、これは枝が丈夫で容易に引き切れないことによるものです。葉の肉厚や濃緑色の感じがモチノキによく似ています。

 

 

 

◆ニオイヒバ(匂桧葉)

 ヒノキ科 常緑針葉樹 高木 北アメリカ

 ヒノキによく似ていますが、枝葉がやや幅広、扁平な感じです。また葉の色が白緑色であり、葉を摘めば芳香があります。乾燥する土地よりもやや湿り気のある土地でよく育ちます。新芽の明るいものをオウゴンニオイヒバと呼び、他にもラインゴールドなどの品種があります。

ハ行

 

◆ヒノキ(桧)

 ヒノキ科 常緑針葉樹 高木 日本

 サワラとは兄弟のような近縁種で、樹形や葉の茂りがサワラよりも剛直な感じでしっかりと重厚です。また葉の色も濃く落ち着いた感じがします。日陰や湿り気のある場所でもよく育ち、サワラが陽だとすればヒノキは陰といったところでしょうか。庭木としてはもちろん、材木としてなど様々な場面で利用価値のたいへん高い樹です。

 

 

 

◆ヒマラヤスギ

 マツ科 常緑針葉樹 高木 ヒマラヤ山地

 ヒマラヤシーダーとも呼ばれ、日本には明治初期に渡来しました。枝が水平かやや下がり気味に広がり、幅広の美しい円錐形の樹形になります。その姿は重厚で気品があり、京都の明治〜昭和初期の洋館の傍らにあると本当に上品に感じられます。京都では透かし剪定を行うことがほとんどですが、意外にも刈り込みにも強く美しい生け垣をつくることも可能です。

 

 

 

◆ヒムロ(桧榁)

 ヒノキ科 常緑針葉樹 日本

 サワラの変化した園芸品種。ヒメムロとも呼ばれ、枝葉が細やかで白緑色を帯びた葉色がうつくしいです。比較的育ちは早く、よく刈り込んで細かく枝葉を密生させると、針葉樹としては最も柔らかい感じの刈り込みものになります。

 

 

参考文献

 

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